シチュエーション音声を聴くとはどういうことかについての考察です。私個人の考えなので皆様の考えとは異なるかもしれませんが、そういう考えもあるかと読み流していただくとありがたいです。
シチュエーション音声とは何か
この記事では、シチュエーション音声とは音声だけで構成されている物語で、主人公にあたる人物(動物や無機物の場合もあり)のセリフが無いものと定義します。
主人公のセリフが無いことによって、聴き手が主人公のシチュエーションをあたかも自分のことのように感じられることが特徴の音声です。CDか配信か、男性向けか女性向けか、恋愛要素はあるかないかなどの違いはあってもこの特徴は共通していると思われます。
なお、催眠音声もこの定義にあてはまるのでシチュエーション音声として扱います。
シチュエーション音声を聴くということ―「リアルサウンド〜風のリグレット〜」との比較
シチュエーション音声を聴くとはどういうことかを「リアルサウンド〜風のリグレット〜」というゲームとの比較によって考察します。
「リアルサウンド〜風のリグレット〜」は画像の無い音声のみのゲームです。(私がプレイしたのはサターン版です。ドリームキャスト版は風景画像入りモードもあるらしいのですが。)
インタラクティブサウンドドラマというジャンル名が示すように、プレイヤーが主人公の行動やセリフ(音声有り)を選ぶことによってストーリーが変わりエンディングも変わります。ちなみにエンディングは5つあります。
一方シチュエーション音声は、聴き手がストーリーに働きかけることはほぼ不可能です。複数のエンディングがある作品は多いとは言えません。ストーリーの途中で分岐が複数回ある作品はCDでは無いはずです。配信専用の同人作品でも少数だと思われます。
このことから、シチュエーション音声を聴くことは受け身であるといえます。催眠音声はこの傾向が強いです。
さらに「High Dimension」で語られているように、物語の主人公が聴き手そのものであってもストーリーの展開を否定することはできません。音声の再生を止めるのが限界です。この点からもシチュエーション音声を聴くことは受け身の行為といえます。
まとめ
シチュエーション音声を聴くことは、主人公になりきったとしても、立体音響の効果でその場にいるように感じても、こちらからストーリーに働きかけることは難しく、受け身的な行為であります。
しかしこれは否定すべき事柄ではなく、シチュエーション音声はそういうものだとして受け入れ聴いていたいと思います。なんだかんだ言っても好きですから。